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瓦の下に使用する練り土のことをいい、適量の粘土質を有し、接着性と腰のあるものを良とし、瓦を馴染ますための働きもする。瓦を馴染ますとは、ねじれの調整・野地むらの修正・瓦の安定等のことをいう。

葺き土には地葺き用と棟積み用に大別され、棟積み用を棟土ともいい、南蛮漆喰・モルタル混合土等が含まれる。

材質には荒土・南蛮漆喰・本漆喰・モルタル混合±等がある。

地葺き用葺き土

葺き土は良質の粘土系の土に長さ60〜75mm(2〜2.5寸)の藁苆(わらすさ)を混合し、良く練り返したものが理想である。粘土質の強い葺き土には山砂利または真砂土を適量混ぜる必要がある。

土葺き工法の場合、屋根に起りを付けることがあり、また野地の状態により修正材としての働きが要求されるところから、腰のある硬練りとした葺き土が必要となる。

葺き土の置き方には筋置きとくベタ置きとに大別され、一般的には筋置きが多く、特に中部・関西・四国地方に現在でも多用されている。

筋置きとは桟瓦の谷裏部分に幅90〜120mm(3〜4寸)・高さ30〜75mm(1〜2.5寸)に葺き上を置く工法である。桟瓦の尻裏部分が野地に接する置き方が理想であるが、野地の起りのよい場合のみで、普通では起り・瓦座の高さ・土留め桟木等により葺き土の高さを野地の状態に合わせて置くようにしなければならない。

べ夕置きとは桟瓦等の裏側全体に葺き土を置き、野地が見えない状態となる工法で、土蔵等の瓦施工等に用いられる工法である。民家では、大阪府泉州地区・和歌山県の一部に多く見られる。

地葺きの葺き土の位置は、桟瓦のねじれによって若干変えなければならない。

例えば、向こうばね系の桟瓦の場合には中央より左寄りに置き、尻ばね系の桟瓦の場合には右寄りに置くよう配慮しなければならない。

葺き土の高さは前記した通り、桟瓦の尻の裏部分を野地に接するように葺けることが望ましいが、一般的には30〜75mm(1〜2.5寸)の高さに置かなければならず、葺き土の高さの目安は、前に葺かれた桟瓦の桟尻の高さに合わせて置くのがよい。

  

 葺き土の位置

   向こうばね系左寄りに置く  尻ばね系右寄りに置く

土葺き工法には、土盛り(土置き)という作業がある。この作業は葺師見習いにとって大事な作業で、瓦のねじれによる葺き土の位置・野地の状態による葺き土の高さ・葺師の癖による葺き土の量等を覚えることのできる基本作業である。葺師の修業では「上揚げ3年.土盛り5年」といわれ、葺き土の練り方及び盛り方を学ぶことは瓦葺きの原点である。桟瓦を横から差し込むと桟瓦の尻上の葺き土が高く残っている状態になり、次の桟瓦を葺くとき葺き土が桟瓦の尻の表に噛むことになる。この状態は桟瓦の納まりも悪く、雨漏りの原因ともなるので、桟瓦は斜め上から差し込み、次の桟瓦が乗る葺き士を押さえて葺くようにしなければならない。

葺き土のみで野地の高低差を修正できるのは30mm(1寸)内外であり、それ以上の場合には野地の上に板等を敷き、野地を修正して葺くのが望ましい。

棟用葺き土(棟土)

棟用葺き土には台土と棟土とに分けられる。

台土は台熨斗瓦を納めるために必要な葺き土で、使用量も多く硬練りとしなければならない。台土には雨水が当たるので、表面に面戸漆喰を塗るかまたは面戸瓦が使用されることもある。

肌土は肌熨斗瓦を納める葺き土で、台土程の量もいらず硬くなくてもよいが、中程度の硬さで練るのがよい。

棟土は割熨斗瓦を積むときに必要な葺き土で、軟らかい練り方でよい。

陸棟(ろくむね)(大棟)・降り棟・隅棟・水切り熨斗積み((だい)())等には雨水が侵入することを考慮した葺き土の使い方をしなければならない。

葺き土の材質には、練り土・南蛮漆喰・モルタル混合土があり、気候風土に適した使い分けをする。

棟葺き土

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