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(1) 瓦座の高さ

軒の構造には、下図(1)のように垂木の上に広小舞が打たれ、その上に瓦座が打たれているものと、下図(2)のように茅負(かやおい)(うら)(こう)があって、野地の勾配と裏甲の勾配が異なる構造とがある。

下図(1)の場合の納まりの瓦座の高さは、迪常の考え方、いわゆる瓦勾配の差による瓦座の高さでよいが、下図(2)の場合の瓦座の高さの考え方は少し違って、裏甲と野地板の勾配の違いは、瓦座の高さに大きな影響を与える。

野地板が裏甲のどの位置に接しているかが、瓦座の高さを決める考え方の元となる。

下図(2)の点線を野地板上端線とし、その線を裏甲の先端Bまで引き通すと、瓦座下端までのC寸法の差が生じ、この寸法は、一般的な構造の瓦座Aの寸法の内の一部と考えられる。

下図(2)のCとD寸法の合計寸法が瓦座の高さとなるが、 Cの寸法が必要とする瓦座の高さがあるからといって、瓦座Dをなくすことはできない。このD寸法は最低30mm(1寸)位の瓦座を打ちたいところである。

瓦座のCとDの合計寸法の高さが必要以上であるとき、その差の寸法分、下図(3)のF線となり、軒巴瓦と素丸瓦が折れる状態になるので、平唐草軒瓦及び平瓦を折れないよう平均して浮かして葺かねばならない。

民家の軒の場合には下図(1)の構造が一般的であるから、瓦座の高さは桟木の厚み寸法に瓦の厚み寸法を加えた寸法が基準となり、野地の線(直線・起り・反り)によって、高さ6mm(2分)内外までが加えられる。

素丸瓦の延長線と軒巴瓦の線とに狂いがあると醜い納まりとなるため、瓦座の高さは仕上がりに大きな影響を与えることを知らなければならない。

RC構造の軒先では木製の瓦座を取付けることが多く、施工図を要求されることがある。このときは与えられた条件を充分に把握し、納まりを推測し施工図を描くようにする。

本葺きの軒瓦には平唐草軒瓦・平鎌軒瓦・敷平瓦・切隅瓦・鎖隅瓦・軒巴瓦・隅巴瓦が使用される。

平唐草軒瓦(平鎌軒瓦)の図Aは利き幅寸法で、平瓦の尻幅寸法(利き幅寸法と同じ寸法である。図Bは長さで利き幅寸法より30mm(1寸)長く造られ、図Cは剣の寸法である。

野地の線が直線または起りの場合の、平唐草軒瓦の葺き足寸法は、平瓦の葺き足寸法と同じ寸法にするが、反りの場合には平唐草軒瓦の葺き足寸法を30〜60mm(1〜2寸)とする。これは軒巴瓦の頭の位置が下がり過ぎないように考えての配慮である。

敷平瓦の図Dの利き幅寸法は、平瓦の利き幅寸法より3〜6mm(1〜2分)は大きく造られていなければならない。これは軒裏の納まりを美しく見せるために必要な寸法である。

前図Eは長さで平唐草軒瓦の長さの80%内外である。また前図Fの寸法は敷平瓦の出寸法に30mm(1寸)内外を加えた寸法とする。

敷平瓦の表面先端は、前図Gのように丸みを付ける。これは平唐草軒瓦の垂れの裏側付け根に合わせるためである。

切隅瓦の前図Hの寸法は、平唐草軒瓦の利き幅寸法に隅巴瓦で隠れる寸法を加えた寸法が望ましく、この寸法は軒瓦の出寸法と同じ程度であるから90mm(3寸)内外である。また切妻屋根に使用する場合は、掛瓦の長さに準じなければならない。下図Iの長さは、平唐草軒瓦の長さと同じでよい。

鎖隅瓦は、切妻屋根に本葺掛瓦を葺くときに使われる瓦で、前図 Jの寸法は掛巴瓦の下図Lの長さと同じでなければならない。

軒巴瓦及び掛巴瓦は素丸瓦の利き幅寸法に準じ、長さは夫々のメーカーによって異なる。但し、下図Mの瓦当(鏡)の直径の寸法は、軸幅寸怯より15mm(5分)内外大きくする。

隅巴瓦の形状はメーカーによって異なるが、隅巴瓦の瓦当(鏡)の径は軒巴瓦の径に準じるのが望ましく、瓦当(鏡)の大きさから尻部分の幅121mm(4寸)内外まで、徐々に細くする形状がよい。

切隅瓦を隅木の角度及び軒反りに合わせ隙間なく合端を行い納め、これを基準として軒瓦を納める。

軒巴瓦  掛巴瓦(点線)      隅巴瓦

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