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平瓦の中心に雨水を流すよう心がけ、常に平瓦を水平に葺くようにしなければならない。平瓦と素丸瓦を交互に葺く方法と、平瓦のみ先に葺く方法とがある。屋根勾配が5寸勾配内外までの場合には、平唐草軒瓦(平鎌軒瓦)を葺き、次に平瓦のみを葺く方法がよい場合が多い。また勾配の強い屋根でも野地むらがあるような場合、平瓦を先に葺くことがある。これは野地むらの修正がしやすいことと、作業内容を単純化することのできる良さがある。この工法は、引掛葺き工法及び縦桟木工法で多く用いられている。

平瓦.素丸瓦の同時葺きは、−列ずつを仕上げて葺く方法で、葺かれた瓦の上に乗らなくてよいことと、作業用及び材料置き場等の足場の設置を少なくすることができる利点がある。この工法は土葺き工法及び引掛馴染み土葺き工法に多く用いられる。

平瓦の水平度は水準器を使い要所を確認する。平瓦を水平に納めても素丸瓦の位置が左右に振れると、平瓦が傾いて見えるので素丸瓦の据え付け位置の割付け墨を正確にしなければならない。

土葺き工法の葺き土の置き方は、平瓦の幅寸法の1/2内外として中央部に置く。

引掛馴染み土葺き工法の葺き土は、平瓦の尻部裏にこぶし大の量を置く方法と、幅60〜91mm(2〜3寸)に筋置きする方法とがある。

葺き土で平瓦の高さを揃える方法には、反り屋根の場合には水糸または鎖を使用し、起り屋根の場合には地葺き定規を使用するのがよい。

屋根の流れ寸法の長さ・幅60〜91mm(2〜3寸)・厚み15mm(5分)内外の定規を作成し、定規に葺き足寸法の墨を行い、望む起りの形状になるよう台をつける。この定規に平瓦の尻部裏の角を合わせて瓦を葺くと、大きな狂いを生じさせることが少なくなる。

葺き土の量が多い土葺き工法では、平瓦の緊結が行いがたく、素丸瓦下の南蛮漆喰と素丸瓦の緊結に頼ることが多い。耐震を考慮した瓦の緊結を重視する場合には、引掛染み土葺き工法とするのがよい。

本葺瓦の丸瓦類には素丸瓦と紐丸瓦が使用され、主としては素丸瓦が多く使用されるが、蔵や門等の屋根に意匠的な意味で紐丸瓦が使用されることがある。また他に行基(ぎょうき)()き形と上部の丸瓦の小口を瓦の厚みの1/2見せる半行基葺き形もある。

素丸瓦の線には上端の通りの線・下端の通りの線・縦の通りの線があり、素丸瓦の上端の線を通すためには、平瓦の葺き上がり線の彫響を大きく受ける。

素丸瓦の上端線を揃えるためには素丸瓦の左右下端に薬指を添えて平瓦より9mm(3分)内外浮かせて仮納めを行い、斜めから透かして前に葺いた素丸瓦の上端線と比較しながら、浮かしてある部分を所定の位置まで下げ修正する。

素丸瓦の下端の線の狂いは、丸瓦が左右に返ることで生じることが多く、これを防ぐためには素丸瓦を水平に納めるようにしなければならない。素丸瓦のねじれによる場合にも下端の狂いが生じるが、この場合には合端をしなければならないが、ねじれの度合いによっては、目立たないように平均化して納めることもやむを得ないことである。

縦の線を通す場合には、素丸瓦の幅寸法を揃えることと、素丸瓦の割付け寸法を狂わさないことである。割付けの墨に合わせて水糸・鎖・定規等を利用し、素九瓦の縦の通りを揃えるよう納める。

素丸瓦の緊結方法には、玉口緊結と胴緊結がある。気温温暖な地区では玉口緊結が多く、積雪地区では胴緊結が行われる。これは雪がずれて落ちるときに素丸瓦を浮き上げようとする力が加わるためで、これを防ぐために野地に素丸瓦を引き付ける働きのある胴緊結とする。

素丸瓦の葺き土に練り土を使用すると、雨水を吸い込むことにより土が崩壊する恐れがある。雨水を吸い込んでも崩壊しないようにしなければならず、そのためには南蛮漆喰を使用するのがよい。

南蛮漆喰の置き方は、素丸瓦の幅1/2内外の幅とし、高さは素丸瓦の高さに準じるのがよい。但し、玉口のところでは半分の量でよく、普通の量を置くと余分な量がはみ出すので、素丸瓦を葺くとき玉口のところの南蛮漆喰を少しずらし、量を少なくして納めるようにする。

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