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屋根の傾斜面が上方向凸状に湾曲して状態のことをいう。

一般的な起りは屋根の流れ寸法の1/100内外とされ、意匠的な場合には3/100内外とされているものもある。

屋根に瓦を葺くのは雨露を防ぐためであるが、瓦の形状・施工力等によって建物の意匠・風格を表現する働きもある。

「起り屋根」と「屋根に起りを付ける」こととは若干の違いがある。起り屋根とは設計の段階及び野地を造るときに付けられている起りのことで、流れに対して100分の1〜3の意匠的な起りを付けることである。

屋根に起りを付けるということは、最後の仕上げを担当する葺師の考えで付けられ、流れに対し100分の1内外の起りのことである。

破風板だけが起っていて野地の線は直線という屋根の場合、その屋根をどのような線で仕上げるかを考え、破風の線に野地の線を合わせようとするとき、起りを付ける考え方が生じてくる。

起りの強弱は葺師(ふきし)の感性で決められ、建物が持つ意匠を十分把握し、屋根の軟らかさ・荘厳さ・安定感・美しさ等を表現する手段である。

起りの付け方には葺き上による方法と桟水の厚みを変える方法とがある。

土葺き工法での起りの付け方は、起りの頂点に横糸を張り、または定規により高さを揃えながら硬練りの葺き土を置き葺きあげる。

起りの頂点をどの位置にするかは、屋根の状況によるが、一般的には流れの棟より6〜7分目当りとされることが多い。

葺き土を置いた時点で葺き土の高さが望む起りの線になっているかを確認することが大事である。尚、葺き土だけで高さを持たすことが無理な場合には、野地の上に板又は瓦の破片等を敷き、桟瓦が下がらないよう考慮する。

横定規を葺かれた桟瓦上に(はわ)わしながら高さを揃える方法もあるが、下図のように幅90mm(3寸)・厚み15mm(5分)・長さは軒先から棟までの板を用意する。その板の右端30mm(1寸)に縦墨を打ち、そのところに葺き足寸法の割付けを行う。また板の裏側に起り寸法の角材を要所に打ち付け、躯む起りの線を確認しその墨合わせて桟瓦を葺く。

野地に起りが付けられている場合には、桟瓦の尻部分を野地に接するように押さえて葺くのがよく、葺き土の量は少なくして桟瓦の安定に留意する。

土葺き工法の起り

引掛葺き工法で起りを付ける場合には、桟木の厚みを変えて行う方法がある。

起りの寸法を100分の1内外と考え、夫々の桟木の高さを調べるには屋根の流れ、寸法を描くことのできるコンパネ、または壁面を利用する。

イ、野地勾配で流れ寸法の引通し線を引く。

ロ、その線に直角に葺き足寸法の割付けを行い番号を付ける。この割付け線の長さは、流れの100分の1の長さ以上としておく。

ハ、引通し両端の位置に鎖を張る。弛みの頂点は流れの長さの100分の1とする。

二、鎖と葺き足寸法の割付け線が交叉するところに墨をする。この墨から野地引通し線までの寸法を番号順に計測記入する。

ホ、夫々の弛み寸法の記入された順を反対にすれば起りとなる。上部を軒先、下部を棟とする。

へ、起りの頂点の位置は、鎖の弛みの一番深い位置とするが、一般には流れの6:4内外の棟よりの位澗にすることが多い。
この桟木による起りの付け方は、流れ寸法が5m位までが限度と思われ、それ以上の場合、桟木だけでは無理が生じ、野地板等を張る等の配慮が必要である。しかし耐火構造の場合には屋根に木材の野地板を使用することに問題がある。

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